【DXを学ぶ】デジタルトランスフォーメーションを体現する人物の条件と具体的な推進方法

2018年、経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置し、さらに経営者向けに「DX推進ガイドライン」を推進するためのガイドラインを策定しました。そして現在、数多くの企業がDX推進に乗り出しています。

企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しようとする場合、ビジネス側の担当者もプログラミングやデータベースについても知識を持っているとスムーズにデジタルに移行することが出来ます。

本記事ではデジタル化を促進する人が社内にいない場合も鑑みて、外部の専門家を活用する手法も視野に入れつつ、DXを具体的にどう進めていくべきなのか、基礎知識とともにご紹介します。

【目次】

■DXとはどういう意味?

■企業におけるDX推進の取り組みとは?
– DXは企業のあらゆる領域と関連する
– 企業がDXを推進するための最低条件は3つ
– 責任者の持つ能力がDXの成功を左右する

■各企業のDXへの取り組み事例
– サイバーエージェント ―デジタルとリアルを融合
– オプト ―AI人材を囲い込みデジタルシフト事業を推進
– Amazon ―リアル店舗×AIで小売業の在り方を革新
– その他―業界を問わず次々と登場するDXの成功事例

■個人がDXを体現する人材になるためのフェーズ
– フェーズ1 ―ITを知る
– フェーズ2 ―プログラミング言語とRDB(SQL)に触れる
– フェーズ3 ―簡単なWebサービスを自作する
– フェーズ4 ―ITを活用して業務を変える

■DXを推進する前に把握しておくべき情報

■社内にDX推進の統括がいない場合

■DX時代を捉えるのに役立つおすすめ書籍3選

■FAQ

DXとはどういう意味?

デジタルトランスフォーメーション(DX)は一般的に「IT技術の浸透によって社会にもたらされる変革」を意味する言葉で、「デジタルシフト」と同様の意味でも使われます。社会企業においてはテクノロジーを利用して業績を高める、事業の対象範囲を根底から変化させるといった文脈で登場するでしょう。

CASやD2C、IoTなどはDXのわかりやすい事例です。一見テクノロジーと関係がなさそうな分野であってもITの力によって新しい価値が生まれ、ビジネスのみならず社会そのものにまで変化を及ぼす。これがDXという概念です。

『アフターデジタル』という書籍でも触れられていますが、将来的には全ての企業がITを当たり前に活用するようになり、「IT企業」というくくりもなくなっていくと言われます。

企業におけるDX推進の取り組みとは?

DXは企業のあらゆる領域と関連する

DXという言葉の具体的な意味合いや取り組みのスケール感は企業によって異なります。ITを活用した業務改善やビジネスの変革、あるいはデジタル領域の新事業立ち上げなど幅広い領域の取り組みがDXに該当するでしょう。DXを実現するための手法についても同様です。アナログ業務をシステム化するといったことはもちろん、クラウドサービスやAI、IoTの利用など多種多様な方法が考えられます。

企業がDXを推進するための最低条件は3つ

ただ、全ての企業がいきなり「完全なデジタルシフト」をできるわけではありません。DXを推進するには、最低限満たさなければならない条件がいくつかあります。

ITへの投資

一つは、ITへの投資です。これは人材及びソフトウェアが該当します。 難しいのは人材です。優秀なエンジニアの生産性は通常のエンジニアの数十倍にも達するのですが、優秀なエンジニアを見極めて採用するのは非常に難易度が高いです。DXを推進する責任者自身がITへの知見を持っていないと、優秀なエンジニアチームを組成することはおろか、DXを行うための社内体制を構築することも困難でしょう。

意思決定の優先度

もう一つは、意思決定の優先度をITに切り替えることです。 特に営業中心の会社に多いのですが、「とにかく気合いと根性で課題解決の方法を考えよう」「頑張ることが美徳だ」というのが従来の日本企業の思考です。ですが、DXにおいては「最も頑張らなくいい方法」を考えるのが第一歩になります。属人化ではなく、仕組み化によって事業をスケールさせる。そのためにIT化という選択を優先することが重要です。

データ活用の重要性を認識する、データを中心に考える

最後に、「データを中心に考える」ことが必要です。 GAFAと呼ばれる大手IT企業は、データを事業の中心的な価値として提供しています。ポイントは、データを取得する仕組みをユーザーに便利に使ってもらいながら、さらにそこからデータを得ているということです。Google検索などがわかりやすいでしょう。 特にAIに顕著ですが、ビジネス的に価値あるIT活用をするにはデータが必要不可欠です。データをどうやって残し、ビジネスにどう活用するのか。ここを考えるのがDXを進める上では非常に重要です。

責任者や社員の持つ能力がDXの成功を左右する

最低条件を満たし、実際に組織全体でDXを推進することになったときに責任者に求められるのは「要件定義力」です。DXを「ビジネスやオペレーションのシステム化」と簡単に捉えるとわかりやすいのですが、正しいシステム化は正しい要件定義があってこそ実現します。 これは、優秀なエンジニアを雇ったりベンダーに丸投げすればいいというものではありません。システム開発の30~50%ほどは失敗すると言われますが、「ビジネスを考えて要件定義をする側」と「システムを作る側」、両方の要素が揃わないとシステム化は上手くいかないのです。

また、DXの責任者はもちろんのこと、社員についても「自分はITに詳しくなくていい」というスタンスは危険です。DXを推進していくという覚悟を持つのであれば、基本的に社員全員がITについての知識や興味を持つべきです。それが難しいとしたら、最低限DXに関わる部門の人間はITについて詳しく知る必要があります。

IT知識と関連して必要になるのが、「ロジカルに物事を理解する力」です。システム、業務フロー、データ、いずれの要素にしてもロジカルに分析して初めて「自分は何がわからないのか」を狭いスコープで整理できます。これを一つずつ解決していけば、適切にIT化を進められるでしょう。

各企業のDXへの取り組み事例

サイバーエージェント―デジタルとリアルを融合

例えば化粧品メーカーはネット広告だけではなくCM、店頭での販促にも多額の予算を投じていますが、店頭での販促についてはまだまだIT活用の最適化が追いついていません。

そこでサイバーエージェントのネット広告事業は販促領域に特化したクリエイティブ専門組織「Local Technology Creative Center」を新設。オンラインで培った知見をオフラインにも応用することにしました。
画像引用:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21951
具体的にはいつ、どんな人が店舗に来店しているのかを分析して、最適な商品設計やディスプレイを最適化するといった取り組みです。 Webからスタートした事業体がリアル領域にまで進出しているわけです。

オプト―AI人材を囲い込みデジタルシフト事業を推進

オプトもサイバーエージェントと同じくネット広告代理店ですが、同社はデジタルシフト事業を収益の柱にするという意思決定を発表しています。

彼らがユニークなのは、5年ほどかけてAI人材の囲い込みを行なっている点です。アメリカの「Kaggle」という機械学習モデルを構築するコンペサイトの名前を聞いたことがある人もいるかと思いますが、オプトはその日本版とも言えるデータ分析コンテストサービス「Deep Analytics」をリリースしました。
画像引用:https://www.optholding.co.jp/news/group/detail/id=3755
大量のAI人材を活用することで、コラボレーション企業のデジタルシフトを推進していこうとしています。

Amazon―リアル店舗×AIで小売業の在り方を革新

皆さんもご存知の例としては、Amazonが挙げられるでしょう。Amazonは技術にかなり注力しており、5000人ものAI技術者を擁しています。 彼らは近年リアル店舗を展開しており、AIによるレジスター業務や誰が何を買ったのか判断する仕組みを取り入れています。
画像引用:https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011
現在はアメリカを中心に数店舗展開しているのみですが、今後どこかのタイミングで世界中の小売業にAI技術を適用させるアクションを取るかもしれません。

その他―業界を問わず次々と登場するDXの成功事例

そのほかにも、例えば某スーパーでは店舗や買い物かごにカメラを設置して購買者の行動や購入したモノをデータとして蓄積し、他企業とのコラボレーションなどに活用しています。タクシー企業がタクシーを通じて時間帯やターゲットに適した広告を配信するなど、モビリティ領域がデータビジネスを展開する例も挙げられます。レンタルビデオ事業中心だった企業が、世界でトップクラスの映像配信企業に成長しているのもDXの成功事例と言えるでしょう。

個人がDXを体現する人材になるためのフェーズ

各社の事例を見ていても、今後ビジネスマンにとってITがより一層重要になることは明らかです。

では、DXを体現できるような人材に成長するにはどうすればいいのでしょうか。

エンジニアではない方が、DXを推進するために必要なフェーズをに分けて考えてみました。

フェーズ1― ITを知る

まずはITに興味を持つことが大前提です。ITへの苦手意識をなくし、「自分の担当ではない」という考えは捨てましょう。世の中のデジタルシフトに対してアンテナを張り、事例をインプットする。さらに興味を持って様々なITサービスを利用する。こういったことができる人はITへの知見が深くなります。 今はスマホがあればあらゆるアプリで最新技術を体験できる時代ですから、利用しない手はありません。

フェーズ2― プログラミング言語とRDB(SQL)に触れる

次は少しハードルが高いのですが、何かしらのプログラミング言語やRDB(SQL)を触ってみることもDXを体現する人材になるためには欠かせないステップです。TCP/IP、RequestとResponseの仕組みについても学んでみると、Webへの理解が深まるはずです。 その上で身の回りの業務でIT化できる部分を見つけ、エンジニアに相談してみることをおすすめします。

フェーズ3― 簡単なWebサービスを自作する

ここまでできればかなりのレベルですが、AWSを利用して自分でWebサービスを作ってみてください。AWSは契約から1年間有効な無料枠がありますし、Webサービスの作成方法もネットで簡単に調べられます。一度簡単なWebサービスを作ってみると、Webの仕組みはもちろん、サーバー、インフラ、ネットワークなどの知識を幅広く学ぶことができるでしょう。 現在、一定以上の規模のWebサービス運営にはAPIが欠かせませんが、多くのAPIも無料公開されています。APIを組み合わせてプログラムを組み、簡単な業務改善を行えるようになれば、DXを体現している人材と言えるでしょう。

フェーズ4― ITを活用して業務を変える

IT活用を含めて業務を設計し、大幅な改善を実現できるようになるのが最終的なゴールです。このとき、データを蓄積することをセットで考えるのが重要です。データを活用しながら作ったものの価値を測り、PDCAを回せるようにしましょう。

DXを推進する前に把握しておくべき情報

いざDXを推進するとなった際、明確にしておかなければならないのは短期的・長期的に何を実現したいのかということです。既存ビジネスの内容を可視化したい、事業を成長させたい、業務を削減したいといった視点がポイントになるかと思います。 目的が定まったら、現状はどのような課題があるのかを把握します。その上で自社にどんな職種の社員が何名いるのか、そのうちIT人員として数えられるのは何名か、そして彼らがどんなミッションを遂行しているのかという情報を基にDX推進体制を考えましょう。 どんな社内・外部向けのシステムが存在するのか、使用しているIaaSやSaaSも確認しておくべきです。

どんな外部人材を登用すべきなのか

DX推進のための外部人材の活用という視点からも考えてみましょう。

経営陣あるいは事業責任者、経営企画の担当者は、どんな風にDXを推進していくのか意思決定をしなければなりません。そんな立場の人にはコンサル、あるいは壁打ち相手になってくれるようなハイレイヤーの技術顧問の存在が大いに助けになるでしょう。

システムの要件定義や現場へのシステム導入、アウトプットのQCを担うような推進チームの責任者には、ハンズオンで併走してくれるパートナー人材が必要です。具体的な技術選定やチーム作りも行うことになるので、CTO的なアドバイザーがマッチします。

具体的な設計・開発を行うチームであれば、PM、ディレクター、開発エンジニアが外部から支援することで、取り組みを加速させることができるはずです。

DX時代を捉えるのに役立つおすすめ書籍3選

・『アフターデジタル』藤井 保文、尾原 和啓(日経BP)

今後リアルとデジタルがどのように融合していくのか、中国の事例を交えながら紹介している書籍です。その上で今後日本、そして世界で何が起こるのかを予想。「すべてオンラインになった世界」でのビジネスの在り方を述べています。

・『ソフトウェアファースト』及川卓也(日経BP)

こちらは、日本企業の生き残りにはIT活用が欠かせないことを説いています。エンジニアがDXを進めるためにはどのような組織作りをすればいいのか、従来のビジネスプロセスや施策をどんな風に現代にチューニングすればいいのかを理解する手助けになるでしょう。

・『How Google Works』エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ(日本経済新聞出版)

本書は上記2冊とはやや毛色が異なります。言葉を選ばずに言えば「エンジニアのようなオタクが能力を発揮できる会社を作るにはどうすればいいのか」が書かれている書籍です。従来のビジネスの常識とは少し違う、オタク的社員とのコミュニケーション方法、評価体制、ミッションの策定のヒントを得られます。

FAQ

DXについてのよくある質問をご紹介します。

【質問者】――社内に人的リソースが無い場合、DXを実現するにはどうしたら良いですか?


【回答】
昨今ではコンサルティングファーム、ITツールのサービスを展開する企業など、幅広くDX推進を社外からサポートしています。

プロシェアリング、外部人材を活用するのをお勧めします。

DX推進には、要件定義力の高さが求められます。例えば、プロジェクトの上流から実際にシステムをリリースするところまでを一通り経験したことのある方が該当します。具体的なアウトプットを見据えて戦略を立てられる人材であれば適切な要件定義をしてくれますし、きちんと最後まで企業と伴走してくれるはずです。

ほかには、社員がITの知見を身に着ける方法もあります。現在はITの民主化が進んでいる時代ですから、一人の人間が一定量勉強するだけでも様々なDXが可能になるはずです。

例えば既存のファイルサーバーでWordやExcelの本文検索をしたいと思ったときに、テキストを丸ごとデータベース化するのはかなり時間がかかります。ですが、ITの知見あれば「G SuiteやGoogle Driveを使えば一瞬でできるな」と思いつきます。課題に対して必要に応じた学習を積み重ね、テクノロジーを適切に活用できるようにするのがDXの近道と言えるでしょう。

【質問者】――エンジニア不在の中小企業がDXを推進することになった場合、どのような手順と座組でプロジェクトを進めるべきでしょうか。


【回答】
手順として最もやりやすいのは、まず社員にヒアリングを実施して課題を洗い出し、システム化によって解決できる部分を改善後のインパクトも含めて提示する方法です。DXはROIが見えにくいことがあるのですが、業務改善・削減を達成するならどの程度コストが減るのかがわかります。そこに対して必要なリソースを算出すれば、社内的にも進めやすくなるでしょう。

座組としてはいきなりフルスタックエンジニアを採用しても業務が無くて困る、ということになってしまいます。まずはビジネスサイドの責任者&技術顧問というセットでスタートする形をおすすめします。


この記事を書いた人
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